2021.08.27
染色には素材や形状、用途によって様々な染色技法があります。そんな中でも当社は染色液に漬け込んで染める方法「浸し染め(浸染法)」を行う染工場です。浸染法は一般的に同色で均一に染める染色方法です。浸染法の中でも様々な処方があります。 染色処方とは染める素材や色によってどの染料や薬剤を使用するか、またどれだけの量をどのタイミングで投入するかなど、わかりやすくいえば料理のレシピと同じです。その処方は各染工場によって独自に開発されており、全く同じ染め方をしている染工場はないといっても過言ではないと思います。同じ素材に同じ染料を使っても染工場が変われば色が変わる。業界では当たり前のように言われています。これが各染工場のノウハウであり技術でもあります。
当社は主にニット製品、肌着、靴下、カーペットなどの原料である「糸(かせ糸)」の染色を中心に、生地染め、製品染めを行なっております。業界ではよく耳にするかと思われますが、染色は先染めと後染めに分かれます。
それでは何をもって「先」「後」なのでしょうか。
先染めとは生地になる前の糸の段階で染色してから織物や編物の生地に仕立てることです。糸を先に染めてから色の違う糸を組み合わせて柄を作り最終的に一枚の生地や製品に仕上げています。チェックやストライプ、ジャガードなどがあげられます。
糸になる前の綿(わた)の状態で染める方法(トップ染め)も先染めの一つとなります。
後染めは生地を織ったり編んだりした後で染色を行います。生地にした後で染色を行うため単色染めが大半ですが、プリントでの柄出しやグラデーション染めなどもあります。生地だけでなく縫製後に染色する製品染めも後染めとなります。
先染めと後染めにはそれぞれにメリット・デメリットがありますが、どちらにも魅力があります。
何を求めて何を作るか。ものづくりのコンセプトや用途に応じて使い分ける必要があります。
様々な染色技法を組み合わせた新たな技術開発も行われています。
伝統を残しつつ、今の時代にあった新たな技術開発に日々邁進してまいります。
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