コラム

はじめまして。

大同染工の比嘉と申します。

この度ホームページのリニューアルにあたりコラムを通じて染色を中心とした情報から、日々感じた日常のことなど、様々な情報を皆様に発信していきたいと思っております。

大同染工は1958年に香川県東かがわ市（旧大川郡白鳥町）に誕生しました。穏やかな瀬戸内海に囲まれた温暖な気候のこの町は120年以上続く手袋の産地で日本国内の生産90%以上の一大産地です。

当社創業者 比嘉 文治郎は1953年大阪の染工場より、それまでは木綿かウールの染めしかできなかったこの産地へアクリル糸や　ナイロン糸などの合成繊維の染色を広げるために招かれ、手袋の原料となる「アクリル糸」の染めを主力とし創業しました。

苗字を見て感じた方もおられると思いますが、創業者にあたる私の祖父は沖縄県の出身です。祖母が香川県出身だったということもあり、この産地へ快く足を運んだのだと思います。

私が子供の頃はほとんどの家で手袋の自営業や内職をしていました。あちらこちらでミシンの音や編み機の音、裁断機の「ガッシャン」といった音が町中で聞こえていました。また学校の帰り道や外に出た時など、近所のおじさんやおばさんと触れあう機会が多く、おやつをいただいたり座り込んで話をしたりしていたことを思い出します。留守にしている家はほとんどなく、今のようにクーラーのない時代ですから戸を開け放し内職のお年寄りは外の様子を見ながら作業をしていました。いつでも通りかかる子供達を見守ってくれているようでした。叱られることもしばしばありました。町中の人が子供達を育ててくれていた、そんな気がします。

染色は小学校の図工の時間に習ったことがある色の三原色「赤・青・黄」の染料を組み合わせて色を作ります。お客様のご要望に合わせて同じ赤でも青味が強い赤や、黄味が強い赤など、無限の色が作れます。それを実際に染め上げる度にワクワク、ドキドキします。

ひとことで「染色」と言ってもかなり奥が深いです。いろんな不思議や驚きがあります。そんな染色の魅力をこのコラムを通じて皆様に発信したいと思います。